小田原市上府中公園で5月の『カミイチ』が行われたのと同じ5月24日(土)、隣接する足柄上郡中井町でもイベントが行われた。こちらのイベントは以前紹介した厳島湿生公園で毎年行われる、『竹灯籠の夕べ』である。
竹灯籠の夕べ 早めに現地入りして公園を楽しむ
厳島湿生公園の売りは、以前も紹介したとおり湧き水の作る池に生息する多種多様な動植物だ。以前訪れたのは冬の寒い時期であったため、湿地の雑多な感じは控えめであった。夏にはまた夏の顔が観察できるだろうと思い、まだ日が暮れないうちに訪れることにしたのだ。
そんな早めの現地入りだったのに関わらず、撮影場所を確保するカメラマンがかなりいた。この時点では、小規模なイベントなのに、余程写真が好きな近隣の方が多いのだろう、というくらいにしか感じていなかった。
竹灯籠のセッティングは完了しており、公園のそこかしこに切り取られた竹と、その中にロウソク、それにおそらく燃料のアルコール(酒?)が入れられていた。明かりが点けられたときの見え方を考えて、灯籠の配置も様々である。
ちなみに、池の中心に配置された灯籠をどうやって設置しているのかというと、ゴムズックを履いた人が直接設置しに行くわけである。したがって準備中の池では、泥が舞い上がり水中観察が難しくもなっていた。
夏を迎えた湿生公園の植物は、他では見たことのない不思議な形状のものが多かった。
動物も、水中に目を凝らすと様々なものが観察できた。小魚、ザリガニ、昆虫など。一見すると何もいないように見える部分も、目を凝らすことで住民を発見することができる。ずっと眺めていても飽きがくることがなかった。
厳島湿生公園はホタルの観察場所としても有名
厳島湿生公園には、公園に整備された際にゲンジボタルとヘイケボタルが放流されている。明るい頃合いには成虫の存在を確認することができなかったが、水面にはホタルの幼虫が浮かんでいた。
点火〜開幕 そして会場は凄い人出に
18:00が開幕となるのだが、17:30から点火開始ということで、来場者の内希望者にチャッカマンが貸し出される。当日の風はかなり強く、火をつけてもまもなく消えてしまうという事が多かったので、来場者はチャッカマンを持ち歩き、再点灯のために公園内をウロウロ歩く羽目になっていた。シーシュポスの岩や賽の河原を思わず連想する。
開幕後に挨拶の席が設けられた。挨拶でも触れられていたが、小さな公園のイベントに似つかわしくないとんでもない人出があった。大勢が点火の苦行のために狭い木道を練り歩くので、移動するのも大変という状態。
挨拶が終わり、大正琴の演奏がBGMとして流され始めると、あとはイベントとして盛り上がるところもなく、ただひたすら暗くなっていくのをゆっくり待つという具合だった。リピーターを獲得するために、もう少し来場者を飽きさせないための演目があっても良いだろうと感じた。
出店で中井町名物
会場の奥には出店の区画があり、ビールやB級グルメ、地場産野菜などが販売されていた。中井町の名物らしきものということで、竹の子を使った孟宗汁と、玉こんにゃくなどをいただく。
とっぷり暮れて、ホタルの登場を待つなど
開幕から1時間ほどで、段々と人の顔が判別できないくらいの暗さになる。無数に灯る明かりは少し現実感を失わせる。
ホタルの放流地前の木道には、登場を待ちわびる来場者が沢山。結構じらしてくれた後に、1匹、2匹と点灯し、こちらは点灯のたびに歓声が上がる。子供も大人も無邪気に喜んでいた。合計で20匹以上は飛び交っていたのではないかな。
竹灯籠の夕べは、灯籠が美しく輝くまで”待ち”、ホタルが姿を現すまで”待つ”、待ちの部分が多いイベントであると感じた。それを楽しく捉えられるならばオススメであるが、若い恋人同士などがロマンチックな時間を過ごしたい場合には、盛り上がりがなくて少し退屈かもしれない。
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