世の中には廃線・廃駅マニアという人種があるらしく、全国の赤字路線が経営破綻・営業停止などすると、喜び勇んでもはや使われることのなくなった駅を訪ねに行くらしい。
廃線・廃駅マニアのお眼鏡にかなうかどうかはわからないけれど、JR相模線の「偽厚木」駅こと厚木駅にも使われなくなったホームがあり、それが廃止時そのままの姿で見ることが出来るようになっている(侵入は不可)。取り立てて見るべきところもない普通のホームだけれど、そんなに厳しい、ミシュランレベルで観光スポット評価をしてしまうと、厚木以西には見るべき観光地が皆無になってしまうので、ちょっと大げさに、見るべきスポットとして紹介しておこう。
え、あの有名な厚木駅の廃止ホームを見たこと無い?え?ウソっ?
JR相模線の厚木駅を見たい場合に、わざわざ相模線の切符を買う必要は無い。おそらく小田急小田原線の厚木駅の方が、接続的には便利ではないかと思うので、小田急の厚木駅で降りる。間違えて一駅となりのtrue厚木駅で降りてしまわないように気をつけよう。
小田原線の厚木駅は高架ホームなので、階段を降りる。するとJR相模線との乗り換えポイントがあるのだが、遮る改札が無く、タッチ式ICカードリーダが置いてあるだけなので、JR側に素通りできてしまう。
素通りして階段を上ったところにあるのが、現在の相模線の厚木駅ホーム。そして、その向かい側に見えるホームが、2007年3月10日まで使われていた旧ホームになる。使用停止されてから6年。看板なども新しく、現在使われているホームだと聞いても信じてしまいそうだ。
このホームのせいで、厚木駅を初めて利用する人間はみんな混乱する。現行ホームで電車を待っていて、到着した電車の扉が向かい側のホームだけ空くのではないか、と。中途半端に営業中っぽい雰囲気を醸し出しているので、意地が悪い。混乱するニューカマーを笑い者にしている!
実は厚木駅の意地が悪いところはもう一つ。先程素通りした連絡通路だが、SuicaなどのICカードの場合ここでタッチしていないと、厚木駅で小田急とJRを乗り換えたという認定がされないのである。つまり、降りる時になってとんでもなく遠回りなルートで運賃計算がされている可能性があるので注意しなければならないのだ。
そんなルールに初心者が気付くわけない。厚木駅は、実に人を食ったホームなのである。
こういった感じの名物駅。晴れて厚木名物として認定したいところだけど、残念ながら海老名市にある。じゃあ海老名っぽい駅名にすればいいじゃないと思うのだが、鉄道会社側が改称を拒んでいるそうです。
むしろ、本当に廃駅にして観光スポット化してしまったほうが有効活用では?
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