さがみビールというビールの銘柄がある。盛升という日本酒銘柄の醸造元、黄金井酒造が醸造しているビールで、盛升ともども全国的な知名度はそれほどないのか、厚木市や周辺の自治体でないとまずお目にかかることが無い。
それでも、厚木市内では地元の酒として盛升をおいている酒屋をよく見かける。問題はさがみビールの方なのだが、実は厚木市内には地ビール醸造メーカーが3社も混在している状況で、「厚木の地ビール」としてコーナーなどを設けて紹介されている場合、さがみビールの他、厚木ビール、サンクトガーレンの可能性もあるので、さがみビールの発見は難しい。というより、おそらく宣伝広報の力の入れ具合から、サンクトガーレンが厚木の地ビールの代名詞となっている状態ではないかとも思う。
そんなさがみビールに興味を持ったなら、蔵元のある場所に直接訪れるのが良い。その場所は、温泉で有名な厚木七沢。異色のラーメン屋ZUND-BARの紹介でも書いたかもしれないが、鉄道を利用する場合アクセスが悪い。そして、車で行く場合は、お酒が飲めない(笑)。それでも、蔵元併設のイタリアンレストラン、セルバジーナの料理の評判も良いので、適当な下戸の運転手を誘って、休日に訪れてみよう。
セルバジーナは、七沢森林公園の少々手前にある。車で訪れる場合は、セルバジーナまであと何kmのような看板が立っているので、それに従って走らせれば良い。また、七沢温泉内で道に迷う要素は皆無なのでナビが既に酩酊していてもそんなに心配は無い。
料理で有名なのは何と言っても自家製ピッツァだ。特に包み焼きピッツァのカルツォーネはあまりお目にかかる機会のないメニューだと思うので、注文に迷ったら頼んでみると良いだろう。酒造直営レストランとしてのメニューは、デザートの盛升大吟醸ケーキに、さがみビールパンナコッタなど。吞ん兵衛でなくとも、わざわざ足を運んだ見返りをしっかりと堪能できるだろう。
でも、吞ん兵衛なので、主目的は酒類。ドリンクメニューには盛升の各種オーダーがずらりと並ぶ。黄金井酒造は米焼酎、芋焼酎に粕取り焼酎なども製造しているので、きっと一度の来店では呑みきれない。
幻のさがみビールは、三種呑み比べセット850円で、ケルシュ、アルト、スタウトが楽しめる。早速注文注文。
泡が美しい。スタウト、アルト、ケルシュとそれぞれ泡の盛り上がり方が違うのも面白いところ。そしてさがみビール全般に共通するのは、日本酒のような酸味があるビールだということ。盛升の兄弟だと思ってよい。3種類を呑み比べて、ぶれないなあという感想を持ったら、もう1種類のビール、ヴァイツェンにもチャレンジ。
うーん来た甲斐あり。このさがみビールの特徴なのか、瓶で出回っているものと生のものでまるで味が違う。というより、瓶のさがみビールの場合時々事故のようなコンディションのものに当たるので(笑)、この銘柄を評価するにはやはり蔵元まで訪れるべき。
良い具合に酔っぱらったら、近くの七沢公園を散策して酒を抜くのも良いでしょう。温泉もあるけど、温泉に入ったらまた呑みたくなってしまうかも。
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