湘南ご当地ラーメン 城門ラーメン 洞洞神@辻堂

城門ラーメン! グルメ
城門ラーメン!

ハイ。今回の紹介は全然厚木以西ではありません。厚木以西の基準である、相模川の西側ではないですし、ギリギリ話題にしても良いだろうと思われる、隣の海老名市でもない。JR東海道線の辻堂駅は、藤沢市です。
それでもどうしても紹介したかったのは、湘南というエリアのご当地ラーメンであるため。つまり、今後爆発的流行を見せれば、ご当地グルメとして相模川以西の湘南にも入ってくる(帰ってくる?)可能性の高い、先物買いなのです。
そんな湘南ご当地ラーメン、「城門ラーメン」を紹介します。

「城門ラーメン」とは何か

城門ラーメンというのは、全国的知名度どころか、湘南エリア内の知名度もあまり高くないと思われる、ご当地ラーメンです。とは言っても、近年のご当地ラーメンブームで突如ぽっと出てきたようなぞんざいなラーメンではなく、一応歴史をたどると、バブル時代以前にまで遡れる由緒正しきラーメンです。
城門という名前は一体何城の門なのか、これはわかりません。1970年代に平塚市に店を構えた、「中国レストラン 城門」というお店で提供し始めたラーメンが始まりだそうです。湘南エリアと言えば、サーフィンのメッカ。多くのサーファーが体を冷やして来店してくる。そんなサーファー達に体の暖まるラーメンを提供したいとのことで、スープがトロットロで生姜が沢山入った、独特なラーメンができ上がりました。
その後、バブル期に湘南エリア一帯に店舗拡大するも、時の流れとともにほとんどの店舗が閉店。いつしか人々の口に上る事もなくなってしまいました。

世紀をまたぎ、「城門ラーメン」再ブーム?

そうした一連の流れの中で、城門の支店として城門ラーメンを提供し続けていたのが、三浦海岸にある「ラーメンショップ城門」。ただし場所柄、その存在は知る人ぞ知るといった感じでした。一方、城門で調理を担当していた方による、「台湾ラーメン桂林」というお店では、城門ラーメンの開発者という触れ込みで何度か雑誌の取材を受けていました。このお店が2007年に辻堂に移転することになり、看板には店名を差し置いて堂々と「城門ラーメン」と掲げるようになりました。今回紹介する「洞洞神」ですね。
一方、「中国レストラン 城門」のかつての経営者の方も、2009年に再び城門ラーメンの店をオープンします。色々あって、現在は2012年に開店した、藤沢市大庭の「城門ラーメンkitchen」というお店が、創業者直系となるラーメンを提供しています。
一連の流れを見るに、バブルの終了とともに関心を向けられることのなくなった城門ラーメンが、新世紀を迎え10年程経過した頃に再び脚光を浴びはじめたという状況のようです。その背景には、ご当地ラーメンブームだけではなくB級グルメブームを通過し、食べる側にちょっとゆるいご当地メニューへの寛容さが生まれる必要があったのだろうと予想ができます。

洞洞神の「城門ラーメン」

さて、紹介するお店洞洞神は、辻堂駅南口から比較的アクセスし易い場所にあります。

神奈川県藤沢市辻堂2-9-34
城門ラーメン洞洞神の店構え

城門ラーメン洞洞神の店構え

先程も書いたとおり、店名は看板に書かれておらず、This is 城門ラーメンといった外観ですね。店内はそれほど混んでおらず、いたって普通のラーメン屋です。メニューの城門ラーメン750円は少し高めの値段設定のような気がするのですが、バブル価格という事で許せます。あと、昼時に行くと半ライスが無料でついてきます。ライスも重要ですので、是非頼みましょう。

城門ラーメン!

城門ラーメン!

大きな丼で出てきたのは、とろみのついた正体不明のスープ。頼んだ半ライスがこの中から出てきても驚きません。それ程にこの料理が”何”なのかが一見して分かりません。でも、とにかく中華料理っぽさは感じます。

城門ラーメン!!

城門ラーメン!!

麺を掘り出してみると、スープが絡み付いて重い重い。麺がうまくスープをリフトするどころか、丼ごとリフトしそうです。柔らかめの麺ととろとろスープの境界はもう曖昧になっています。キワモノであることは確かです。
味の方は、まあいける味です。ひき肉と細かく切られたザーサイと生姜にとろみをつけて卵で閉じた餡なので(餡って言っちゃった。違います。スープです)それぞれの具材の香りが引き立って、中華料理的にアリなのではないかと思います。でも、常に疑問符が頭に浮かぶ味と言いますか、これが酸っぱければ酸辣湯麺になるし、豆腐が入っていれば麻婆豆腐になるという、スパっと形容するには何かが足りないそんな味です。
一緒にライスを頼んでおけば、スープを上にかける食べ方が出来ます。マーボー丼未満の何かなのですが、結局よくわかりません。サジを投げます。サジと言えば、付属するレンゲにも”食べやすいように”と横っ腹に穴があいています。これほど空回りする”食べやすいように”は、スガキヤのラーメンフォーク以来ですね。

このラーメンを、酷評するのは難しい。丁寧な作られ方ですし、サーファーの体が冷えないようにという配慮は実を結んでいます。ただ、具と麺とスープと、全てを餡の中にパッケージングするという解答は、予想外の方向だったと思います。やっぱり、ご当地ラーメンという括りにしたら魅力がアピールできない、力が抜けるようなB級グルメと捉えられるのが最も自然なのではないでしょうか。バブルという形容詞も、良い仕事をしてくれていますね。

「城門ラーメン」という登録商標をとっているのがこの洞洞神なので、ご当地ラーメンとして広範囲に広がることは期待できないかもしれませんが、なんとか厚木以西にも広まってほしいと思っています。ちなみに城門ラーメンは相模川以東の味ですので、塩辛さは普通に感じられました。本来の発祥地である平塚では、もう少し塩辛い味だった可能性もありますね。

【追記】
2014年3月で閉店してしまうみたいです。城門ラーメンがまた幻のラーメンにならないよう、兄弟店に頑張ってもらいたいところ…

コメント

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