カレンダーが7月から変わって最初の日、8月1日(土)に、神奈川県内ではなんと5箇所で花火大会が同時開催されていた。まず、昨年行ってきたリポートを書いたあつぎ鮎まつりの大花火大会。それから、茅ヶ崎市のサザンビーチちがさき花火大会。加えて横須賀市のよこすか開国祭開国花火大会。相模原市のさがみ湖湖上祭花火大会。そして、小田原市の酒匂川花火大会だ。
よくもこれだけ多くの花火大会が同時開催されたものである。神奈川県内ではさらに8月4日(火)に横浜市の神奈川新聞花火大会が控えている。神奈川新聞の大会は打ち上げ数15000発と県下最多であるのだが、1日に行われた大会も鮎まつり花火大会が10000発、開国花火大会が6000発、さがみ湖湖上祭花火大会が5000発など、他県ならばトップを飾れる程の大規模花火大会ばかりだ。神奈川県人はきっと花火が好きで好きでたまらなくて、真夏の週末に花火の音が聞こえ続けていないと不安になってしまうのだろう。
打ち上げ数が7500発に増えた酒匂川花火大会
さて、打ち上げ玉数の話では、酒匂川花火大会は昨年までの6000発から今年7500発へとパワーアップして、県内の花火大会で単独4位へと躍り出ることとなった。まさに勢いのある大会である、ということで、今年の8月第1週は他の選択肢を振り切って、この酒匂川花火大会をピックアップして足を運んでみることにした。
花火大会前の会場
酒匂川花火大会はその名前のとおり、酒匂川の河岸にて打ち上げがされる。小田原大橋という橋が架かっている場所を会場としているのだが、鉄道の最寄駅は鴨宮駅で、歩くと15分くらいの距離がある。
反対の小田原駅方面から向かう場合には、路線バスを使って行くことが出来る(当日は増便されている)。小田原駅から歩くと20分程と少し遠い。
酒匂川の河岸に観覧エリアは3箇所あり、小田原大橋より南の酒匂川両岸2箇所と、北側の右岸1箇所がそれぞれ指定されている。
ご覧の通り、広い芝生があり非常にのどかな会場である。7500発という規模の大会にしては場所取りに殺伐としなくて良さそうである。
打ち上げ場所の小田原大橋付近では河岸に降りることは出来ず、土手のコンクリート階段に観客が集まることになる。結構打ち上げ直前に取撮った写真なのだが、席の余裕はまだあるようであった。
北上すると小田原大橋にぶつかった。この橋の南北それぞれに打ち上げ地点がある。そして目玉花火の”ナイアガラ”は橋の北側から上がる。クレーンがスタンバイ。
花火のスポンサー企業や個人スポンサー(当日スポンサー含む)のための優待鑑賞エリアもあり、その中には椅子やテーブルが用意されていた。ナイアガラを真正面から鑑賞可能なのは優待席だけ!
大きな花火大会だと、よそからやってくる客向けのご当地グルメ屋台が出ていたりなどするのだが、酒匂川花火大会は小田原おでんの屋台が1つ位しか出ていなかった。あくまで巨大な市民花火大会なのである。
折角なので、北側の打ち上げ地点およびナイアガラに最も近いところで鑑賞することにした。
近い近い!酒匂川の花火は至近距離から鑑賞可能
19:00になり、市長挨拶などがおそらくステージ上で始まった。おそらくというのは、あくまで有料鑑賞エリアにスピーカー等が向いているため、土手ではあまりよく放送が聞こえなかったからである。このスピーカーの特性は、プログラム後半の音楽と同期した花火でも鑑賞の障害となった。
挨拶が終わり拍手が起こる。打ち上げ開始時刻の19:10になったので、花火打ち上げ場所に職人がつくのを待っていると、
いきなり花火が上がったので、驚いてのけぞってしまった(笑)。
そうですか、最近の花火は職人が点火するのではなく、コンピューター制御の遠隔操作なのですね…
昨年記事にした平塚の花火大会でも、打ち上げ地点からの近さを話題にしていたが、酒匂川花火大会ではさらに近くまで寄れる。通常遠くから花火を眺める場合に、花火が花開くと少し遅れて低音のドンッ!という音が響くが、本当に打ち上げ地点の近くで鑑賞すると、顔を張られたような炸裂音が低音と同時にやってくる。後方に建物など障害物があると、すぐに跳ね返ってくる反射音との間に挟まれて不思議な体験である。
あと、絵面は完全に地対空ミサイルの発射である。花火にロマンを求めるならば、決して近くで鑑賞してはならない(笑)。
打ち上げ間隔の短い花火 そしてナイアガラ
7500発の花火を50分間で打ち上げるとなると、もったいつけたところはなくプログラムが快速に進んでいく。小田原大橋を挟んで2箇所の打ち上げ地点があるので、橋を挟んだ向こう側から花火が飛び出すこともある。ただ割合的には北側の発射地点が8に対して南側が2くらいだ。
そして目玉花火のナイアガラ。4部構成のプログラムの第3部に点火された。至近距離だと渡したワイヤーがしっかり見えるので、やっぱり遠くからの鑑賞をオススメします。
煙もひどい。前日の7/31がちょうどブルームーンだったのだが、花火の煙がまとわりついてこの日はレッドムーンが見られた。
なお、第3部が終わると帰り始める観客が大勢いたのだが、もしかしたら昨年までは3部構成で、ナイアガラが締めだったのかもしれない。1500発増えてますよ!
第4部は音楽が聞こえにくくてちゃんと鑑賞できなかったハナビリュージョン(音楽同期型の花火。いせはら芸術花火大会の磯谷煙火店ならメロディースターマインという名称になる)。
とにかく連射の威力が印象的だった丸玉屋小勝煙火店。実は昨年の平塚の花火も担当していたらしい。縁がある。実演時間の短い花火大会をだらけさせずにつなぐのがうまいのだろうか。酒匂川花火大会には、会場の雰囲気含めて大満足!
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