大山阿夫利神社酒祭 唎き酒会・試飲会に行ってきた!

大山阿夫利神社下社 初夏の装い イベント
大山阿夫利神社下社 初夏の装い

古代より雨乞いの神様として信仰され、”雨降”が転じて”阿夫利”となったと言われている、大山阿夫利神社。祀られている神様は、大山祇神という航海の安全を守る神様。この大山祇神の有名な御神徳として、お酒を醸造する際の安全というものもある。そんなことあって、全国の大山祇神の祀られる大きな神社には、日本酒の酒蔵から毎年の新酒奉納があるらしい。

大山阿夫利神社酒祭

大山阿夫利神社でも、関東一円の酒蔵から奉納を受け、安全祈願の行事を行う。それが5月の終わりに行われる酒祭だ。
酒祭の日程は、たとえば今年は5月18日(日)と5月25日(日)というように2日間、連続した週の日曜日となっており、先の週の日曜日に行われるのが酒蔵業界関係者を集めての酒祭で、大山阿夫利神社社務所会場を会場として行われ、品評会・懇親会を兼ねる。
一方、後の週の日曜日が一般向けの酒祭で、こちらは大山阿夫利神社下社の境内で行われる。一般向けの酒祭では、訪れた客が奉納された全国の酒蔵の日本酒を、参加費無料で唎き酒・試飲できるようになっている。
参加費無料の試飲会というのは、なんともありがたい大山祇神のご加護である。こういった時ばかりは神様の存在に感謝しつつ(日頃の不信心・不節制、罰が当たるのではないかと多少竦みつつ)初夏の大山の自然散策も兼ねて出かけてきた。

試飲会 ずらり並ぶ銘柄の数々は壮観

大山阿夫利神社下社までは、何しろ山道である。ロープウェイもあるのだが、そちらを使ってしまうと参道の自然が堪能できない。日本酒の試飲ではなく、登山という健康的な目標で登る子供達の集団を横目に見つつ、なんとか下社までたどり着いた。

大山阿夫利神社下社 初夏の装い

大山阿夫利神社下社 初夏の装い

拝殿の右手横に、試飲会のテントが設営されている。県別にまとめられずらりと並ぶ日本酒の一升瓶。プラスチック製のコップでこれらの銘柄を手酌でいただく形となる。それにしても、本当に関東中から奉納があるものだ。

試飲会のテント

試飲会のテント

県別に分けられた銘柄

県別に分けられた銘柄

一升瓶が空になると、テント中央にいるスタッフが代わりの銘柄を取り出して並べる。代わりに出てくる銘柄は上に貼り出された県別表示と産地が一致しないのはご愛嬌か。さすがにお膝元とあって、神奈川県の銘柄は多く揃えられていたが、その他には新潟の銘柄などが多く、また珍しい産地の酒として、福岡県の千秋蔵などが並んでいた。

飲み急いでベロベロになってしまわないよう、テントの脇には水の入ったやかんと、酒のアテである塩が置かれていた。塩を舐めつつ30銘柄以上試飲した結果、出展された日本酒のうち一番は新潟県上越市竹田酒造店の「かたふね」と決まった。

水の如きものが最上とされる上越の酒の価値観の中で、異端の濃厚・芳醇な味を目指した酒造りをしているらしい。次点と思った「雪中梅」も同じく上越の異端。

奉納酒のほとんどは本醸造・普通酒であったから、その中で突出して味わいのある2銘柄が印象に残ったのだろう。酒祭で奉納される蔵の皆さん、おそらく純米酒以上のものを奉納すれば、比較対象が本醸造・普通酒であるがゆえ、この試飲会で一気にファンを獲得できますよ。

唎き酒会にも挑戦

試飲会開幕の10:00以降、何度かのタイミングで唎き酒会が行われていた。銘柄を隠された一升瓶から出題され、日本酒は吟醸酒、純米酒、本醸造酒、普通酒、合成酒の5種類の区別を、焼酎は米、そば、いも、麦、甲類の5種類を当てる。全体で7割以上正解の場合名前が読み上げられ、粗品進呈となる。

唎き酒の問題

唎き酒の問題

唎き酒の回答用紙

唎き酒の回答用紙

まず焼酎は間違える方が難しいので、5問正解は約束されたようなものである。つまり日本酒の側で2問正解すれば良いのだが、これも吟醸酒を間違えるわけがない(明らかに吟醸香があった)。したがって残り1問がノルマというわけだ。
楽勝楽勝と構えていたが、なんと結果不合格となってしまった。情けなくて、その日は一日憂鬱であったほど(ほら、罰が当たった!)。純米酒以下については味の好み順で並べて回答したので、それがあまり賢明でなかったかもしれない。

この筆者は日本酒の区別もつかない馬鹿舌だなと思われる方々には、来年参加をして結果をもって自慢していただきたいところ(笑)。まあ、合格者はない回であったので、たまたま難しい回に当たってしまったのだと開き直ってしまおう。

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