厚木以西.netのサイトを始めてから、とうとう世界の核心に迫る、最大の謎に手を伸ばすときがやってきました…この投稿を境として更新が途切れたら、管理人は消されたものと思って下さい…それでは、いきます。
世の中にはいくつも謎の商売が蔓延っている
世の中、不思議な商売というのがあるものである。一体誰の需要によってそれが成り立っているのか、とんと仕組みが判らない、けれどもどうも採算は取れているらしく、潰れない。
有名なものは物干竿などの移動販売車系。20年前のお値段とか、布団無料で引き取りますとかそういった文句でつり出して、人の良いおばあちゃんなんかにどんどん売る。およそ20年分のストックにはなるんじゃないかと思われる量の竿竹や布団を売るのである。20年分の商品を買わされてしまったおばあちゃんは、使い道が無いので仕方なく、中古軽トラックを1台購入して商品を売りに出かけるのである。別のおばあちゃんを捕まえて、20年分の商品を売りつけるために。これは、友達の友達から聞いた話。
湘南・西湘世界に散らばる”湘南クッキー”販売機
本題である。本厚木のある神奈川県央や、湘南、そして西湘にかけての街で、黄色を基調として緑の丸文字が書いてある、少しドキッとするカラーリングの自動販売機を見た事がないだろうか。飲料系の自販機が置いてある所にしれっと並んでいるので、ローカル飲料の自販機なのかな?と軽い気持ちで近付いてしまう。
ところが近付いてまじまじと見ると、勝手が違う。よく学校なんかに置いてあった、番号を押すとパンが落ちてくる、ああいうシステムの自販機である。そして、商品としてズラリと並んでいるのは、クッキー。種類豊かなクッキーが100円くらいから小分けのパッケージで売っているのである。
飲料系の自販機を見ると条件反射的に喉が渇いてしまうところに、口の中パッサパサになりそうなクッキー自販機の仕打ちである。こんなもの、誰が買うのだろう?どうやって採算を取っているのか?気になり始めて、ずっと夜も眠れなかった。
おそるおそる、買ってしまうのだ
とりあえず、商品を買ってしまった。別にクッキー食べたい気持ちになったわけではないけれど。
ついつい手を出してしまったのは、湘南LONG BOARDという商品。サーファーが江ノ島でクッキーを乗り回すという、江ノ島では当たり前に見られる光景をパッケージにした商品(家庭用プリンターで印刷した感満載)。どうせ100円くらいだし、味もショボいのだろう、と思って齧ると、”サクっ”という音と控えめの甘さ、そして後をひくナッツの香りに驚く。商品ランク的に、100円均一でも売られているブ○ボン等のクッキーよりも一段グレードが高いだろう。それがこんなユルいパッケージングで売られているのだから、クッキーの製造者もうかばれない。
湘南クッキーはかくも遍在する
さてさて、クッキー自体は美味であったからリピーターもでるかもしれないが、それにしても湘南クッキー自販機を見かける頻度は異常で、まだ説明がつかない。サイトの性質上しょっちゅうネタを求めて湘南世界を飛び回っているのだが、大抵どの街に行っても湘南クッキー販売機は先回りして置いてあるのだ。この気味の悪い感覚、最も近いモノを挙げるならばフィリップ・K・ディックの『ユービック』だ。
ユービック [ フィリップ・キンドレッド・ディック ]
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この万能クッキー自販機の遍在っぷり。見つけ次第写真に収めることにしているので見てみようか。
まず、秦野市のとある店舗前。これはおそらく白笹稲荷神社の初午祭に行ったときの写真だろう。
次に、二宮駅前のもの。自販機だけでなく、店舗全体が湘南クッキーによって浸食されている。おそらく吾妻山に行った時の写真。
そして、海老名駅周辺にあるもの。海老名って湘南じゃなくね?多分花火大会のときの写真。
伊勢原市にもあるというのは先述のとおり。そして、5自治体目となる平塚市で、これら湘南クッキー自販機の親玉ともいえる存在に遭遇したのだ!
湘南クッキー工場と隣接するクッキーアウトレットモール
なんと、湘南クッキーの親玉は平塚市にあった。その場所は国道129号の、ららぽーと湘南平塚付近。ららぽーとも出来たことだし、ちょっくら車で行ってみるかと思い立った人が、嫌でも目にする立地だ。
会社名は、(株)湘南クッキーというらしい。事務所看板はひっそりと極彩色で主張するだけだけれども…
隣接してこれまで見てきた湘南クッキー自販機の親玉がある。題して湘南クッキーアウトレット!
アウトレットの内部は、湘南クッキー自販機が林立している。最近何かと話題のレゴランドよろしく、言わば湘南クッキーランドだ。しかも入場料は無料!
クッキーのクオリティは箱詰めのものと遜色無い。というか、この生産工場でブランドの箱詰めクッキーを委託生産して、2級品を湘南クッキーパッケージで出しているというらしいから当然なのである。来客用に出すクッキーはここで大量に購入すれば確かに安上がりかもしれない。自販機が24時間営業であることで、朝方急に来客の予定があることに気付いたときなど便利である。
謎は全て解けた!(まっとうな企業だそうです)
というわけで、湘南を中心に遍在する極彩色クッキー自販機の謎を追ってみたのだが、平塚市の一ヶ所で生産して、そこから神奈川県各所の自販機に配っているということのようだ。そして、飲み物の自販機の隣に置いてあるとその需要に気付きにくいが、来客に出せるクオリティのクッキーを時間を気にせず安価に買えるということで、想定する主要購買者層はマダムや中小企業の事務所あたりだろう。あとは業務用スーパーのように、本来の客層に加えて一般の方も購入できますよと示すことで販路の拡大を狙っているのかもしれない。
遍在するクッキー自販機からSF的な展開に繋がらず、残念である。どうせなら中から湘南星人が出てくるとか、変形して地球の危機を救うロボットになるとか、自販機の中に湘南世界を常時監視する公安のカメラが入っていたりとかそういう展開が欲しかった。
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