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茅ヶ崎海岸浜降祭 海の日の早朝に行われるどっこい神輿のお祭りに行ってきた

茅ヶ崎市には茅ヶ崎4大まつりという、街を挙げての大きな祭が4つあるのだが(以前紹介した「湘南祭」もこれにあたる)、その内の1つ、毎年7月の海の日に行われる祭が茅ヶ崎海岸浜降祭だ。その概要は、早朝から茅ヶ崎市・寒川町の神社の神輿が茅ヶ崎海岸(西浜海岸)に集まって、神輿を担いでそのまま海に飛び込むというダイナミックな内容だ。

茅ヶ崎海岸浜降祭の歴史

茅ヶ崎海岸浜降祭は、浜降祭と呼ばれる神事の一つである。浜降祭とはその名前から推測できるように、内陸に所在する神社が神様を神輿に乗せて海岸まで降りていきみそぐというもの。茅ヶ崎海岸浜降祭の主役は、寒川町にある相模国一宮寒川神社だ。
寒川神社がはるばる茅ヶ崎海岸までやってくる理由は、その昔、相模国府祭という大磯で行われる祭に寒川神社の神輿が参加した帰路、相模川を渡る際に平塚市の相模国四宮前鳥神社の氏子ともみ合いになって、神輿が相模川に落下、そのまま流れていってしまったらしい。数日後に、茅ヶ崎の南湖で漁をしていた網元の孫七さんが神輿を発見し、寒川神社の元に返した。これに感謝を表すために、寒川神社では夏のみそぎを茅ヶ崎南湖の浜に赴いて行うようになったという。
つまり元々は江戸時代に起源のある寒川神社の行事の一つに過ぎなかったのだけれど、次第に参加社数が増え、近年には茅ヶ崎市の多くの神社が参加する茅ヶ崎の祭へと変容していったといういきさつだ。

茅ヶ崎海岸浜降祭の段取り

この浜降祭は、別名の『暁の祭典』という呼び名のように、早朝まだ日も出ない頃に始まり、10:00前には終わってしまう。参加する神社によっては深夜0:00を神輿の宮出し時刻としている所もあるので、そうした神社にとっては深夜の祭典である。何故そのように早い時間から動く必要があるのかというと、参加神輿数34社の39神輿ということで、7:00の式典開始時間ギリギリにやってくると混み合うからである。
そして、慎重に時間をずらして西浜海岸に到着した後、海に入る。神社によってはその後式典開始まで時間が空くので、担ぎ手は休憩所で休憩しながらという場合もある。当日は海の家を貸し切っている神社もあった。

担ぎ手はサザンビーチで休憩中

担ぎ手はサザンビーチで休憩中

辺りが明るくなり、観光客も段々集まってくる6:00頃から、式典会場に続々と神輿が入り始める。神輿は相模国の特徴的などっこい神輿と呼ばれるタイプの神輿ばかりで、神輿の横についている”タンス”と呼ばれる把っ手で神輿を叩いてリズムをとる。また、このリズムに合わせて甚句という民謡を唄い上げることもある。浜降祭では”茅ヶ崎甚句”というスタイルになる。
神輿が会場に勢揃いしたら、式典の開始である。式典は7:00から8:00まで。玉串の奉納などがある。

浜降祭の式典

浜降祭の式典

式典が終了すると、間髪入れずに茅ヶ崎市の鶴嶺八幡宮の神輿が動き始め、各社の神輿が続いて帰っていく。帰り途中に、いくつかの神輿は再び海に入る。複数の神輿が一緒に海に入る場面もあり、大体マスコミで報道される際の絵はここで撮っているようだ。祭全体を通じてあらぶる水遊びをずっとやっているというわけではないよ(笑)。

多分放映されるのはこの絵だけだな(笑)

多分放映されるのはこの絵だけだな(笑)

計39基の神輿。写真で見ても異様だ

浜降祭の感想は、神輿が多過ぎて不気味!というのが率直な所だ(笑)。これまでの20基程度くらいまでの神輿の共演を眺めたことはあったが、なんとか理解の範疇に収まっていた。けれども39基となると、既に神輿でお腹いっぱいなのに、まだ続々と神輿がやってくる。しかも、子供神輿のような中途半端なサイズでない、立派な神輿がである。

既に神輿だらけの光景に

既に神輿だらけの光景に

まだまだ続々とやってくる

まだまだ続々とやってくる

壮観と言うより、怖い

壮観と言うより、怖い

のぼりの効果もあって、合戦の布陣のようだ

のぼりの効果もあって、合戦の布陣のようだ

群衆の中を図体のでかい神輿がひょこひょこもったいつけて進んでいく様で、タワーディフェンスというゲームを思い浮かべてしまった。

各社神輿の個性などなど

個別の神輿について気付いたことも書こう。一番乗りで会場を後にしたと書いた鶴嶺八幡宮だが、34社39神輿となっている理由がこの鶴嶺八幡宮のようで、5社程の神輿を引き連れて移動していた。後に調べると、引き連れていたのは管理神社の神輿ということになるようだ。一番乗りという立場のためか、他の神輿が海側を向いて置かれているのに対し、鶴嶺八幡宮の神輿だけは西側を向いていた。

ちなみに横の把っ手が"タンス"

ちなみに横の把っ手が”タンス”

寒川神社の神輿は、他の神輿と異なり五色の幟に先導されていた。

寒川神社神輿

寒川神社神輿

他に特筆すべき神輿と言えば、寒川町の菅谷神社の神輿。実はこの神輿は寒川神社から譲られた神輿で、浜降祭の由来となった、相模川に流されてしまった神輿その人だというのである。

寒川神社の天保神輿

寒川神社の天保神輿

一度引退はしていたものの、平成10年に復活したらしい。この神輿にとっては毎年トラウマの場所に連れ回されて面白くないかもしれない。

どの神輿が飛び込むかは、観衆誘導の側面もあるのかもしれない

帰路に海に入る神輿は、大体10基くらいで、それほど多いわけではない。鶴嶺八幡宮もそうだが、帰路が長そうな神社の神輿は海に入らない。そのため、最初のうちは海に入る神輿がないのではないかとやきもきさせる。でも結局一番最初に海に入ったのが、寒川町の一之宮八幡大神の神輿。帰路が長そうなのにお疲れさまでした。

寒川町一之宮八幡神社のみそぎ

寒川町一之宮八幡神社のみそぎ

もっとも、海に飛び込む神輿とそのまま帰る神輿が分かれるのは、観客を陸側と海側に分けて陸側の神輿が帰り易くするためかもしれないので…人が群がるであろう寒川神社が帰るのと同じタイミングだったので、寒川地区の鉄砲玉みたいな役回りだったのかもしれない(笑)。

交通規制もあったよ

茅ヶ崎海岸前の国道134号は片側通行規制。規制車線に停まっているのは観光バスと各社のトラック。おそらく、浜を上がったらトラックで帰るという神社も多いのだろう。

交通規制がされていた

交通規制がされていた

外国人をビビらすには最適な祭かも

この浜降祭は、時間が早朝になってしまうのが難点と言えば難点だが、合計39基(しかも毎年増え続けている!)の神輿が揺れて、練り歩いて、けたたましく音を立てて、さらに海に飛び込むというのは十分なインパクトだ。その派手さから、外国人受けも良いのではないかと思う。観客の外国人率は驚くくらい低かったけれど、日本の神輿はこんなもんや!と分かってもらうために連れて行くのも良いのではないかと思う。ただし、全ての日本の神輿に奇妙な把っ手がついているわけではないことを説明しなければならないので、そこは注意。

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