小田急小田原線は新松田を越えると、南に一直線に小田原駅を目指す。酒匂川と狩川に挟まれたところにいくつか駅があるのだけれど、どの駅にもあまり知名度が無い。大雄山線も並行して走っているため、小田原方面への足として利用する客も、それほど多くはないだろう。駅舎は大抵こぢんまりとしていて、駅前商店街は昭和な佇まいだ。
螢田駅前にも、かどや酒店をはじめとした古い建物が2,3ある。旅行者が途中下車して見るほど珍しいものはないかもしれないが、気が向いたら降りてさまよってみると面白いだろう。
そんな螢田駅に近いところの、味噌ラーメンの店麺処まさ屋が今回の紹介店。
線路沿いの道を歩いていて気付いたくらいなので、のぼりくらいは出ていたかもしれない。比較的新しめの店で、内装は綺麗。店内には先客がたくさんおり、どうやら賑わっている店のようだ。
札幌風の味噌ラーメンが売りの店のようで、西山製麺を使っているということが暖簾に書かれている。メニューは味噌、こってり味噌、辛味噌と味噌味のバリエーションが多い。こってり味噌には背脂が投入されるらしく、暑い日に味噌、さらに背脂となるとなかなか苦行なので、普通の味噌を頼んだ。
まず見た目が期待できる色だ。黄金色に近い。それにスープの質感も、サラサラとしたものでなく、ドロドロとしたもののように見える。満足感がありそうだ。
実際にスープをすすってみると、味噌とんこつのような複雑な味の重なりはない、一本気な味噌味ではあるけれど、辛すぎず丁度良い。それにこちらも鮮やかな黄色をした縮れ麺と良く合っている。麺自体の香りを殺さない。
具はもやしとチャーシュー、メンマに細かく刻まれたネギ。何か特筆して素晴らしいところがあるラーメンというわけではないけれど(味噌の香りが独特とか、チャーシューにこだわりとかね)、とりあえず綺麗にまとまった札幌味噌ラーメンを食べようと思ったら、良い店ではないかと思う。札幌味噌ラーメンののぼりに期待して入って、ガッカリしない。これ大事。
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